北海道 地質由来有害物質情報システム GRIP【試験公開版】

H23-25 重点研究 報告書「北海道内における自然由来有害物質の分布状況」

GRIPの考え方

リスク区分と表示について

1つの地質体について複数の溶出量/含有量試験を実施すると,多くの試験値は同様の値を示すものの,これからは外れて低い値が認められることも多い.このようなばらつきは風化作用の影響を受けて有害物質が地質体から移動・溶脱・不溶化している可能性が考えられている(須藤ほか,2010;高橋ほか,2010).未風化状態の地質体の有害物質の溶出量/含有量はあるヒストグラムを描き,これに風化作用が加わることでズレが生じたり,ヒストグラム全体が低い溶出量/含有量側へ偏移すると考えられる.このようなばらつきのある試験値データを用いて,定量もしくは半定量的にリスク情報を構築することは困難である.

そこで「GRIP」では,このリスク情報を直感的に利用者に伝えるためにリスクをピクトグラムで表示することとした.図17は,砒素のリスクを表現したピクトグラム全16種である.各ピクトグラムには対象物質を示す元素記号・原子番号・原子量(As・33・74.922)が記されている.左上半分の色が溶出量,右下半分の色が含有量のリスクを表している.

対象とする地質体において溶出試験を実施すると,水色はほとんどが溶出基準値の80%以下,オレンジは溶出基準値を超過しないが高め,赤は溶出基準値を超過,黒は第2溶出基準値の80%を超過する可能性があることを示している.同様に含有量試験を実施すると,水色は自然由来と人為汚染の判断の目安(砒素の場合:39mg/kg)以下であることを示し,オレンジは含有量基準値の80%以下,赤は含有量基準値以下,黒は含有量基準値を超過する可能性があることを示している.

なお,ピクトグラムの色は,同一地質体につき数検体が上記の閾値を超過した場合に割り当てられる.例えば,ある地質体について溶出量/含有量試験を実施した場合,数検体の溶出量が基準値をわずかに超過し,全検体の含有量が基準値の80%以下であれば,左上が赤色,右下が水色のピクトグラムが割り当てられる.これは,工事現場等における事例を検討した結果,数個の基準値超過試料の存在で,要処分土としての対応・対策が必要となることが多いためである.